2022年実施の大学入学共通テスト (英語)

大学入学共通テストの試験会場風景 (読売新聞より)
(大学入学共通テストを取り巻く状況)
今から 3 年前の 2022 年 1 月 15 日 (土) 16 日 (日) の両日に、2 回目の「大学入学共通テスト」が実施された。新型コロナウィルスの新規感染者は、1 月 15 日の東京では 4,561 人、16 日は 4,172 人もあり、2 月 2 日は 21,576 人にも達した。受験生も各会場の試験官の方も、例年にない緊張を強いられたことと思う。2025 年 11 月の今日から考えれば、隔世の感がある。
それに 1 月 15 日には、大学入学共通テストが行われる東京大学の門前で、17 歳の高校生が三人の人を刺した事件が起きた。この高校生は、東京大学を受験して医師になるつもりであったが、成績が下がったために、自暴自棄になりこの凶行に及んだようだ。
さらに大学入学共通テスト当日に、世界史の問題を受験会場でスマホで撮影し、ネットで東大生に送り、解答を教えてもらっていた事件が勃発した。試験会場では、写真は撮れるが、テキストを入力すれば、必ず試験官に見つかるので、どうしたのかと考えていたら、その後の報道で協力者がいたことが分かった。私は大学教員のころ、当時の入試センター試験の監督をしていたことがあるので、受験会場では絶対にテキスト入力は不可能であると確信していたので、協力者の存在があることを知り納得した。驚いたことに、この受験生は、昨年度も実施して失敗したと、捜査関係者に話したということである。
(大学共通テストの内容)
読解問題の内容を読んでみたが、高校生が興味を引くような英文を取り上げて、その内容を聞く問題が主流である。受験生が普段から真面目に英語の授業を聞き、予習・復習を欠かせなければ、簡単に解ける問題であり、受験生に配慮されている英語問題と思った。私も大学入試問題を作成した経験があるので、大学入学共通テスト作成者の先生方のご苦労はよく理解できる。
読解問題の中で、第五問の Philo Taylor Farnsworth の「テレビ開発の特許」の話と、第六問の「昼型人間と夜型人間」についての英文を面白いと思った。
第五問の Philo Taylor Farnsworth は、次のようにテレビのシステムを思いつく。
One day, while working in his father's potato field, he looked behind him and saw all the straight parallel rows of soil that he had made. Suddenly, it occurred to him that it might be possible to create an electronic image on a screen using parallel lines, just like the rows in the field.
(訳) ある日、父のジャガイモ畑で働いているとき、彼は後ろを振り返り、自分が作ってまっすぐで平行な土の列を見た。突如、畑の土の列のような、平行線を使ってスクリーン上に電子画像を作り出すことが可能かもしれない、という考えが彼の胸に浮かんだ。
テレビの最初の発想が、このようなものと初めて知り興味深く思えた。大きな発見は日常の風景にあると感じたが、その発想を得るには日頃の学問が必要であろう。
第六問の「昼型人間と夜型人間」の違いは、生まれた時刻が関係があるという理論が紹介されている。
What makes one person a lark and another an owl? One theory suggests preference for day or night has to do with time of birth. In 2010, Cleveland State University researchers found evidence that not only does a person's internal clock start at the moment of birth, but that those born at night might have lifelong challenges performing during daytime hours.
(訳) 何がある人を昼型人間として、他の人を夜型人間にするのであろうか?ある理論は、昼あるいは夜を好むのは、誕生の時刻に関係があることを示している。2010年、クリーブランド州立大学の研究者たちは、人の体内時計は誕生の瞬間に始まるばかりではなく、夜に誕生した人は、日中に仕事をするのは生涯困難であるという証拠を発見した。
大学入学共通テストの英語問題は、難しい単語も英文もなく、受験生がまじめに高校時代の英語に取り組んでいるかどうか調べるように作成されている。この程度の英文で躓くようでは、大学で専門書を読むことは困難なので、そのような受験生はもう一度真摯に高校英語を復習した方がよいであろう


