九州大学 (2021年) 英語入試問題の重要英文

九州大学の入学試験会場の様子 (九州大学ホームページより)

九州大学の入学試験会場の様子 (九州大学ホームページより)

 

 次の英文は 2021 年に実施された九州大学の英語入試問題から選んだ重要な英文です。九州大学受験を希望する学生や、九州大学の英語入試問題に興味をお持ちの方は、ぜひご一読ください。

問題 I の英文

問題 I はイナゴの大量発生がどれくらい被害をもたらし、各国がどのようにその問題に取り組んでいるかについての英文です。

(1) As Overson explains, there are hundreds of species of grasshoppers, “but only a small handful of those are what we consider locusts.” That raises a question: What makes a locust a locust? According to Overson, it comes down to a superpower possessed by locusts that enables them to go through a remarkable switch in development.

(訳) オヴァーソンが説明しているように、数百のバッタの種類があるが、「ほんの少数のバッタを、私たちはイナゴと考えている」それは、何がイナゴとしているか、という質問を引き起こす。オヴァーソンによれば、成長の段階で驚くべき変化を経験することを可能にするイナゴが持つ、並外れた力に行きつく。

(2) The ability to change dramatically like this in response to environmental conditions is called phenotypic plasticity. Though scientists can’t be certain why locusts developed the trait over time, many believe it’s because they typically live in temperamental and harsh environments.

(訳) 環境条件に反応して、このように劇的に変化する力は、表現型の可塑性と呼ばれる。イナゴがなぜそのような特徴を、時間が経つにつれて発達させたかについては、科学者には確信はないが、多くの科学者は、イナゴが変化が激しく過酷な環境に住んでいるからと信じている。〇 phenotypic plasticity「表現型の可塑性」生物個体がその表現型を環境条件に応じて変化させる能力のこと

(3) “They are powerful, long-distance flyers, so they can easily go a hundred plus kilometers in a 24-hour period,” Overson notes. “They can easily move across countries in a matter of days, which is one of the other major challenges in coordinated efforts that are required between nations and institutions to manage them.”

(訳) 「イナゴは力強く、遠くまで飛ぶので、24 時間の間に100 キロ以上簡単に進むことができる」とオヴァーソンは示している。「イナゴは数日で国々を容易に移動することができるので、イナゴを取り扱う国と国や機関と機関との間に必要とされる、協調的な取り組みでの、他の大きな課題の一つとなっている」

(4) Making matters worse, many of the countries slammed with the worst infestations are already suffering from protracted crises recovering from recessions, fighting natural disasters, racked by conflict and now the coronavirus outbreak.

(訳) 事態をさらに悪化させることに、最悪のイナゴの来襲を受けた多くの国が、内戦や今はコロナウィルスの勃発で苦しめられ、不景気や自然災害と闘うことから回復するという、長引く危機にすでに苦しんでいるのである。

問題 II の英文

問題 II は IT 企業 Google の経営について論じています。

(5) According to Shoshana Zuboff, a professor at the Harvard Business School, surveillance capitalism originated with the brilliant discoveries and the bold and shameless claims of one American firm: Google.

(訳) ハーバード大学大学院経営学研究科教授のショシャナ・ズボフによれば、監視資本主義は、グーグルというアメリカの会社の天才的な発見と大胆でずうずうしい要求から始まった。〇 surveillance capitalism「監視資本主義」パソコン・ユーザーの個人データが商品となり、このデータの収穫と生産がインターネットの大規模な監視に依存している市場主導型のプロセスを説明する用語 (https://www.axion.zone/surveillance-capitalism/ を参照)

(6) Targeting ads precisely and efficiently to individuals is the Holy Grail of advertising. Rather than being Google’s customers, Zuboff argues, the users became its raw-material suppliers, from whom the firm derived what she calls “behavioral surplus.” That surplus consists of the data above and beyond what Google needs to improve user services.

(訳) 個人に対して、正確に効果的に宣伝を仕掛けることは、広告の聖杯である。ズボフが論じているように、グーグルの顧客になるというよりは、ユーザーは原材料を提供するものになり、ユーザーから会社は、「行動余剰」と呼ばれるものを引き出した。その余剰は、グーグルがユーザーへのサービスに必要なもの以上のデータから成り立っている。〇 behavioral surplus「行動余剰」グーグル社が行動データをユーザー向け改善だけでなく,これをまた未来の行動マーケット向けに加工して,予測生産物を打ち出した結果生まれた膨大な余剰を本書では「行動余剰」とネーミングしている (勝俣誠教授 [現在は明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員] の書評より)

(7) Zuboffs analysis helps make sense of the seemingly unrelated services offered by Google, its diverse ventures and many acquisitions.

(訳) ズボフの分析は、グーグルが提供する一見無関係なサービスや様々な事業や多くの買収について、納得がいくものである。

(8) Step by step, the industry has expanded both the scope of surveillance (by migrating from the virtual into the real world) and the depth of surveillance (by going into the interiors of individuals’ lives and accumulating data on their personalities, moods, and emotions).

(訳) 徐々に、この産業は、(仮想世界から現実世界に移動することによって) 監視の範囲を広げてきたし、(個人生活の内部に入り込み、個人の性格、気分、感情に関するデータを集めることによって) 監視の深さも増していった。

問題 III の英文

問題 III は猫と飼い主の問題について説明する英文です。

(9) Luckily for the two, the shelter didn’t place an expiration date on their charges, but the change in circumstances had been a shock to the twelve-year-old cats. It had taken Miriam nearly a month to do everything to make Luther, the shyest of the two, leave the safety of his hidey-hole.

(訳) 二匹の猫にとって幸運なことに、保護所は保護管理の終了日を設けていなかったし、環境の変化は、12 歳の老猫には打撃であった。二匹の中で恥ずかしがり屋のルーサーが、隠れる穴を離れさせるために何でもしたが、それにミリアムは一カ月もかかった。

(13) Miriam wished she could, but the rent-controlled apartment complex she’d moved into with her husband after the last of their children left home didn’t allow pets. Roy had been gone nearly six years now, and the place still seemed too large and empty without him. Lulabell and Luther would have helped with that, but rules were rules.

(訳) ミリアムはできれば猫たちを引き取りたかったが、最後の子供が家を離れた後に、夫と一緒に移り住んだ賃貸のアパートは、ペットが住むことを許可しなかった。夫のロイが死んで今では 6 年にもなるが、その部屋は、彼がいないので、まだ広くて空虚に感じられた。ララベルとルーサーの二匹の猫は、その問題を解決する助けになるが、規則は規則であった。