ある黒人女性の一生 (Harriet Tubman)
2021 年の福岡教育大学の英語入試問題で、Harriet Tubman (1822-1913) の生涯が取り上げられている。黒人奴隷として生まれたが、多くの同胞を助けるために戦う彼女の姿には感動を覚える。環境を恨むことなく、弱い人々を助けようとする彼女の心境は、どのように作り上げられたものであろうか。凡人である私には、まったく想像できないことである。
彼女は困った人々を助けたいという情熱を持っており、実際多くの人々を救ったようである。
Harriet had a strong desire to help anyone in need, and she maintained an "open-door" policy, meaning she would help all those who came to her door for assistance.
(訳) ハリエットは困った人々を助けようという強い欲求を持っており、援助を求めて彼女の家にやってくるすべての人を助けるという「門戸開放」方針を継続していた。
ハリエットが亡くなったのは、1913 年の 3 月 10 日であるが、2022 年のアメリカの状況はどうであろうか。この文章を書いた人は、悲観的な調子で次のように語っている。
Hopefully, in the future, race relations will improve in the United States, and people of all races will be able to coexist more peacefully and harmoniously. But in the short time, more race-related problems will likely occur due to long-held racist beliefs and attitudes by a group of people who think that white people are superior to black people and other minorities.
(訳) 願わくば、将来には、アメリカ合衆国の人種関係が改善され、すべての人種が平和に仲むつまじく併存できるようになるであろう。しかし、短期的に見れば、白人は黒人や他の少数民族より優れていると考える長年の人種差別信念のために、より多くの人種関係の問題が起こるであろう。
黒人問題と言えば、2020 年 5 月にアメリカのミネソタ州ミネアポリスで、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド (George Floyd) が、白人の警察官から首を、8 分以上もの長い間も圧迫されて死亡した、いわゆる「ジョージ・フロイド事件」を受け、全米に広がっていった抗議運動を思い出す。
日本ではアメリカのような峻烈な人種差別はないので、黒人の苦境は明確に想像できないが、映画やテレビドラマで見る限り、黒人の状況は激しいものと思われる。最近では、アメリカにおいて、「アジア人」への攻撃も大きくなっていると聞いた。多くの日本人や中国人、韓国人の方が、アメリカに暮らしているが、以前よりは住みにくい環境であろう。
