英語の語彙 (English Vocabulary)

現代英語の基本語彙600語の起源と割合 (Keioホームページから)
ゲルマン語とロマンス語
現代英語の語彙の半分は、古英語 (Old English) やスカンディナビア語 (Scandinavian) のようなゲルマン語、あとの半分は、フランス語 (French) やラテン語 (Latin) のようなロマンス語 (Romance language) である。その他に、多くのギリシャ語 (Greek) に由来する科学・技術の語彙、またかなりの数のオランダ語 (Dutch)、イタリア語 (Italian)、スペイン語 (Spanish)、ドイツ語 (German)、アラビア語 (Arabic) からの借用語となっている。
基本的な概念や事物の名前は、古英語から来ている。主な単語を挙げてみると、heaven, earth, love, hate, life, death, beginning, end, day, night, month, year, heat, cold, way, path, meadow, stream である。基数 (cardinal number) は古英語から、また “second” を除いてほとんどの序数 (ordinal number) も古英語からである。 “second” はラテン語の “secundus” (following の意味) からフランス語に入ってきた “second” から派生している。
古英語から全ての人称代名詞 (personal pronouns) を現代英語は使っているが、they、their、them はスカンディナビア語から来ている。助動詞 (auxiliary verbs) やほとんどの前置詞 (prepositions)、接続詞 (conjunctions) は、古英語から来ている。すなわち重要な語彙は、ほとんどが古英語から派生していることになる。
多くの名詞は、古英語から入ってこようとスカンディナビア語から入ってこようと、同じ形である。それらの名詞は、father, mother, brother, man, wife, ground, land, tree, grass, summer, winter, cliff, daleである。
多くの単音節語の動詞も、古英語から入ってこようとスカンディナビア語から入ってこようと、同じ形である。例えば、bring, come, get, hear, meet, see, set, sit, spin, stand, think など。
形容詞も同じで事情で、full, wise, gray, green, white, mine, thine, north, west, over, under などがある。
古英語とスカンディナビア語との二重語も存在する。例えば、no and nay, yea and ay, from and fro, rear and raise, less and loose などである。
古ノース語 (Old North) 、つまりスカンディナビア語を用いる民族との接触は 8 世紀から始まるが、1150 年までの文献には、スカンディナビア語の単語は 60 語しかなかった。例えば、husband, outlaw, knife, take などがその例である。
スカンディナビア語からの借用語が、文献に多く見出されるのは、13 世紀以降である。名詞では band, birth, bloom, crook, dirt, egg, gait, gap, girth, knife, loan, race, rift, root, score, seat, skill, sky, snare, thrift, and window、形容詞では awkward, flat, happy, ill, loose, rotten, rugged, sly, tight, ugly, weak, and wrong、動詞では call, cast, clasp, clip, crave, die, droop, drown, flit, gape, gasp, glitter, life, rake, rid, scare, scowl, skulk, snub, sprint, thrive, thrust, and want などである。
フランス語からの借用
英語がフランス語から借用した語彙は、かなり多いことは事実である。president, representative, legislature, congress, constitution, parliament などの語彙は、すべてフランス語からの借用である。duke, marquis, viscount, baron はフランス語からの借用であるが、king, queen, lord, lady, earl, knight は古英語の語彙となる。city, village, court, palace, manor, mansion, residence, domicile は、フランス語からの借用であるが、town, borough, hall, house, bower, room, home は古英語の語彙である。
古英語とフランス語からの借用語の同意語を比較してみると、古英語はフランス語より人間的で具体的である。フランス語からの借用語は、知的で抽象的であると言える。freedom (Old English) と liberty (French), friendship と amity, hatred と enmity, love と affection, likelihood と probability, truth と veracity, lying と mendacity という組み合わせを考えてみれば、そのことが明白になると思われる。
フランス料理が素晴らしいという理由で、boil, broil, fry, grill, roast, souse, toast などの言葉が、英語に入ってきている。breakfast は古英語からであるが、dinner や supper はフランス語から入ってきた。hunt は古英語からであるが、chase, quarry, scent, track などはフランス語から入ってきた。
職人の名前は、古英語起源の語彙が多いと言える。例えば、baker, builder, fisherman, hedger, miller, shepherd, shoemaker などがそうである。しかし、熟練工の名前は、フランス語起源が多い。例えば、carpenter, draper, haberdasher, joiner (英語では carpenter), mason, painter, plumber, tailor などがそうである。
ギリシャ語からの借用
科学技術の分野では、多くの語彙は、フランス語を通って古典ギリシャ語から、あるいは直接古典ギリシャ語から導入された。研究開発の先駆者たちは、ギリシャ語を科学技術用語の無尽蔵の源泉と、考えていたようである。
far away や distant の意味を表すギリシャ語の副詞 tele を、合成語の photography の前に付けて、特別なレンズで遠くの物体を移すという意味の telephotography という語彙を作った。小さいという意味のギリシャ語の接頭辞 micro を、photography の真ん中に挿入して、バクテリアやウィルスの撮影という意味の photomicrography を作っている。
多くのギリシャ語から作られた合成語や派生語は、ラテン語から作られたものと同じような意味をあらわす語彙がある。metamorphosis (ギリシャ語)と transformation (ラテン語) は、一見同じような意味を表すと思えるが、metamorphosis はより技術的な言葉で、transformation より限定された意味しか持たない。
神話では、metamorphosis は魔法のような姿の変化を表すが、自然界では、おたまじゃくしがカエルになったり、毛虫が蝶になったりする変化しか表現でないが、transformation は全ての変化を表すことができる。
イタリア語の影響
英語は、イタリア語から音楽の語彙を受け入れている。声、音部、演奏者、楽器、作曲等に関する語彙は、すべてイタリア語から入っている。allegro, andante, cantabile, crescendo, diminuendo, legato, maestoso, obbligato, pizzicato, staccato, vibrato のような語彙は、比喩的にも用いられている。
建築用語に関しては、英語はイタリア語の影響を多大に受けており、corridor, cupola, grotto, pedestal, pergola, piazza, pilaster, rotunda などがある。
文学では、イタリア語から来た語彙は burlesque, canto, extravaganza, stanza などがある。
スペイン語の影響
スペイン語から、英語は armada, cannibal, cigar, galleon, guerrilla, matador, mosquito, quadroon, tornado, vanilla のような語彙を取り入れている。これらの語彙のうち、16 世紀までさかのぼるものまである。エリザベス朝時代の海賊が、海上でスペイン人の船を襲ったからである。
動物や植物の名前の多くが、スペイン語を通して英語に入ってきた。potato は、西インド諸島に住んでいたタイノー族の言葉であったが、スペイン語を通して英語に入ってきた。また tomato は、メキシコ南部に住んでいた先住民の言語が、スペイン語を通して英語に入ってきた。
以上、英語の語彙について説明してきたが、大学受験生や英語に興味にある方のご参考になれば幸いである。
(Encyclopaedia Britannica Online を参考にした)


