日本の英語教育 (English Education in Japan)

学研教室ホームページより
学研教室は日本の幼児教育に力を注いでいる会社である

 

 日本の英語教育は、相変わらず成果があがっていないようである。2022 年 3 月 14 日の毎日新聞に日本の英語教育の実情を分析する記事が載っている。

 この記事の筆者はイギリス生まれで、アイルランド国籍を持つ、David McNeill 氏である。氏は 2020 年から聖心女子大学で教鞭を取っておられる。

 「最近の調査では日本の英語能力は 112 カ国中 78 位であった」というショッキングな内容から、記事は始まっている。

Japan polls 78th in English proficiency out of 112 countries, according to EF, Education First, a Swiss education company. In Asia, Japan falls below Taiwan, China, Vietnam and South Korea. For years, Japan has lagged in standard TOEFL tests, below far poorer countries such as Cambodia, Kazakhstan and Azerbaijan.

(訳) スイスの教育会社 EF (Education First) によると、日本の英語能力は 112 カ国中 78 位である。アジアでは、日本は台湾、中国、ベトナム、韓国に劣る。長年にわたり、日本は標準的な TOEFL テストで、カンボジア、カザフスタン、アゼルバイジャンなどのはるかに貧しい国に遅れをとっている。

 David McNeill 氏自身も、外国語学習の困難を十分に認識されており、ゲール語の習得では何の進歩もなかったようである。なぜこの記事の筆者が、ゲール語を学ぶ必要があるかと言えば、アイルランドではゲールが第一外国語になっているが、ほとんどの国民は英語を使っているからである。ゲール語は人口の約 1 % が使用しているが、ほとんどのアイルランド人から見れば、ゲール語は外国語のような感じになる。

I'm sympathetic to English-learners. It is a frustrating language, with too many particles, irregular verbs and quirks, and fundamental differences in grammar, syntax and pronunciation. Like every Irish citizen, I spent a decade in school swotting compulsory Gaelic (which is far older than English), and like many of them I can barely speak a handful of phrases today.

(訳) 私は英語学習者に同情的である。不変化詞や不規則動詞や癖が多すぎて、文法、構文、発音に根本的な違いがあり、いらいらさせる言語である。アイルランド国民なら誰でもそうであるように、私も 10 年間、学校で必修のゲール語 (英語よりはるかに古い) を勉強し、多くの人と同じように、今日ではほんの一握りのフレーズを話すのがやっとである。

 なぜ日本ではこのように英語学習の成果が現れないのであろうか?この記事の筆者は、高校時代の英語教育が原因ではないかと指摘している。

When I ask my students why English is a turnoff, they invariably cite high school. Students must wade through a series of standardized tests created by much older bureaucrats, tailored to university entrance examinations. Many students also study at private cram schools, which compounds the problem of teaching that prioritizes grammar skills rather than real-life communication.

(訳) なぜ英語が面白くないかと生徒に尋ねると、必ずと言っていいほど、高校教育を挙げる。学生は、大学入試に合わせた、はるかに年配の官僚によって作成された一連の標準化テストを苦労して通過しなければならない。また、多くの学生も私立の学習塾で学び、このことが実生活でのコミュニケーションよりも文法力を重視する教育の問題を深刻化させている。

 ただ AI の発達のおかげで、ひょっとしたら近い将来、外国人とスムーズな会話ができるのではないかという希望は持てる。

AI and machines translations, which struggled over subtleties of syntax, culture and grammar have been vastly improved by deep learning― which means that algorithms are mimicking the way our brains process information. The EU is among many organizations calling this a revolution in language.

(訳) AIや機械翻訳は、構文、文化、文法の微妙な違いに悩まされていたが、ディープラーニングによって大幅に改善され、アルゴリズムは私たちの脳が情報を処理する方法を模倣している。とりわけ EU は、これを言語革命と呼んでいる。

 英文中のディープラーニングとは、「コンピューターが自動で大量のデータを解析して、データの特徴を抽出する技術」である。人間の脳と同じようなアルゴリズム (コンピュータが使用する計算方法のこと) を使っているので、人間に近い働きをすることができる。最近の AI は、英語を自然な日本語に翻訳することは朝飯前である。

 日本人が膨大な時間と労力を使って英語を習得するより、AI の力を借りて、外国人とのコミュニケーションを取った方が効率が良いことは明白である。その膨大な時間と労力を使って、これからの日本人は日本語を深く理解し、自分の思想を深化させることが重要である。

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