非言語的コミュニケーション (Nonverbal Communication)

笑顔は非言語コミュニケーションの代表例
2017 年に実施された早稲田大学 (教育学部) の英語入試問題には、非言語コミュニケーションが取り上げられている。人はお互いにコミュニケーションを取るときは、言葉よりも、顔の表情や視線のほうが、より重要な役割をしていることがある。
感情表現をする場合、文化によってその表現方法が違う。
The display rules of more individualistic cultures discourage the expression of shame in front of others, while the display rules of more collectivistic cultures allow or even encourage it.
(訳) より個性を尊重する文化の感情表現規則では、他の人の前では、羞恥の感情表現はよしとしないが、一方、より集団を重んじる文化の感情表現規則では、それを許しており、むしろ奨励される。
例えば、アメリカの文化では、男は感情表現することを抑制され、女性は感情表現が許される。
Here is another example: American cultural norms typically discourage emotional displays in men, such as grief or crying, but allow the facial display such emotions in women.
(訳) もう一つの例がある。アメリカ文化の規範は、悲しみや泣き叫ぶような感情表現は、男では一般によしとしないが、女性がそのような感情を表現することは許されている。
一方、日本文化では、女性は人前で満面の笑みはしないように抑制されるが、西洋の女性は満面の笑みを浮かべることが奨励される。
In comparison, in Japan, traditional cultural rules dictate that women should not exhibit a wide, uninhibited smile. Japanese women will often hide a wide smile behind their hands, whereas Western women are allowed―indeed, encouraged―to smile broadly and often.
(訳) 日本では、それに比べて、伝統的な文化規則は、女性が満面の、そしてたしなみのない笑みを浮かべることは、いけないことになっている。日本の女性は、しばしば手で満面の笑みを隠すが、西洋の女性たちは、無遠慮にまたしばしば笑うことを許されるし、むしろ奨励される。
非言語的コミュニケーションは、顔の表情だけではない。アイ・コンタクトもそうである。アメリカでは、人の目を見て話さない人は、疑わしいと思われる。
In American culture, people often become suspicious when a person doesn't "look them in the eye" while speaking, and they find it disconcerting to speak to someone who is wearing dark sunglasses.
(訳) アメリカの文化では、話している間に、「人の目を見ない人」は、しばしば怪しいと思われる。そして黒ずんだサングラスをしている人と話すことは、不安になる。
人と人の距離も、非言語的コミュニケーションの一部である。アメリカの文化では、人と人の間は、適当な距離をとることが重要である。
For example, most Americans like to have a bubble of open space, a few feet in radius, surrounding them. In comparison, in some other cultures it is normal to strangers to stand right next to each other while speaking, to the point of touching; some one who stand apart may be considered odd or suspicious.
(例) 例えば、ほとんどのアメリカ人は、半径数フィートの広々とした空間が、彼らを囲んでいる状況を好む。それに比べて、他の文化では、話す間、見知らぬ人が、ほとんど触れるほど、ぴったりと横にいることが通常である。離れて話す人は、異様で怪しい人と考えられる。
この英文は、非言語コミュニケーションを簡潔にまとめた文章で、非常に分かりやすい。非言語コミュニケーションには、顔の表情やアイ・コンタクト、人との距離があり、その特徴が上手く表現されている。